多汗症解消マニュアル

   

多汗症の治療法には薬と注射、手術があります

人間は体温を調節し、不要になった物質を体外に放出するために汗をかきます。ですが多汗症と診断される人たちは正常値を大きく上回る量をかいていて、日常生活に支障をきたしているので対処する必要があります。
治療法としては内服薬や外用薬、ボトックス注射そして外科手術が存在しています。内服薬は大きく分けてプロバンサインという西洋医学の薬と防已黄耆湯と補中益気湯、2つの漢方薬があります。プロバンサインはアンチコリン剤といって、神経伝達物質アセチルコリンの作用を鈍化させます。これにより汗を制御している自律神経が発汗を抑制します。ただし頭痛や口の渇き、動悸などの副作用もあります。防已黄耆湯は水代謝を改善する漢方薬で、多汗だけでなくむくみにも効果を発揮します。肥満対策としても注目を集めています。補中益気湯は消化機能改善に有効な漢方薬で、多汗以外にも食欲不振や夏やせに有効です。2種類の漢方薬はどちらも目立った副作用は報告されていません。
効果が確認されている外用薬には、塩化アルミニウムがあります。塩化アルミニウムと水以外に保存料としてグリセリンが用いられているものが多いです。一般の薬局ではオドレミンという市販薬が販売されています。この成分が多汗に効果を発揮するのは、アルミニウムイオンが汗腺にフタをするからだと考えられていましたが、現在はフタをするのではなく細胞膜に作用するという意見が主流です。
日本皮膚科学会が発行している多汗症治療ガイドラインは、ワキには10パーセントから35パーセント、手のひらには20パーセントから50パーセントの濃度をすすめています。使い方は簡単です。寝る前に汗が気になる部分に塗り、朝起きたら水で流すだけです。使用頻度は効果が確認できるまでは毎日で、確認できてからは週に1回程度がいいです。携帯電話が手あせでダメになるほどの人は、塩化アルミニウムの塗布量を増やし、ゴムあるいはビニール手袋で覆って寝ると効果的です。
ボトックス注射は、ボツリヌストキシンという毒素から作った成分を使用する注射です。ボツリヌストキシンが効くと、神経から汗腺への情報伝達が妨げられるため汗を抑えます。よくワキガケアをしているクリニックが行っているため、ワキの多汗にしか効果がないと思われがちですが、手のひらや足の裏にも打つことが可能です。施術時間は10分ほどで、局部麻酔を打ってから行います。注射直後に赤みや内出血が出るリスクは否定できませんが、跡がほとんど残りません。成分が効果を発揮するまでに一定期間を要し、患者が効果を実感できるのは3日から4日後です。なお効果を持続するのは3カ月から長くて半年なので、その点を考慮して実施を検討する必要があります。
ワキの多汗症にもっとも効果があるのが、手術により汗腺をすべて摘出する方法です。これには剪除法とクワドラカットの2つがあります。剪除法は前述のボトックス注射と比べてかなり長い、2時間ほどの手術です。皮膚麻酔と麻酔注射の両方を使うのが一般的で、およそ4センチにわたってメスをいれます。その切れ目から医師がアポクリン腺とエクリン腺の両方を、切り取ります。すべて取り終わったら切れ目を縫い合わせて手術完了です。4センチも皮膚を切開しているのですから、直後は腫れと痛みがありますし、跡もいくらか残ります。クワドラカットは剪除法よりも侵襲性が低いことが魅力で、傷跡はわずか5ミリほどです。5ミリを切開したら、シェーバーと呼ばれる筒を入れて、そこから汗腺を吸引します。こちらも切れ目を縫い合わせますが、傷が小さいので腫れや痛みの程度は小さいですし、普段どおりに体を動かせるようになるまでの期間は短くてすみます。

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